ナノサミット株式会社は、平成24年度独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)「石油・天然ガス開発分野における革新的技術研究テーマ公募」において、「カーボンナノチューブの多種の機能性を生かした革新的なコーティング材の開発」のテーマで応募し、9月12日にこの採択を受けました。
本事業は、カーボンナノチューブ(CNT)が有する強靭性、導電性、熱伝導性、防汚・防錆性機能を塗料分野に適用する用途開発です。これまでのCNTの用途開発上、障害となっていたCNT特有の凝集性の課題を、北海道大学の古月文志教授発明によるCNT孤立分散技術を基に有機・無機の多岐にわたる材料に完全分散させて実現するものです。
これにより、さまざまな高機能を有するCNTを塗料・コーティング材に分散・配合させ、本事業においては特に、海上の海洋備蓄基地設備・海洋調査船から海中の掘削施設・資材に、さらには陸上設備への防汚・防腐食材を開発します。
海洋生物の付着を防ぐ防汚機能については、海洋備蓄基地設備、海洋調査船に付着する海洋生物を取り除く作業などに係るメンテナンス費用の軽減につながるもので、大型船(石油タンカーなど)の船底塗料にも適用できると考えています。生物が付着しない船底の効果は、水抵抗を低減することで10%以上の燃費向上の事例も確認されており、海上輸送に係る CO2 削減に地球規模で貢献できると期待しています。